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2011年7月29日 (金)

【漫画ナツ100】

「今更いく所が無い、では漫画を読め。 

    この際名作漫画を読破しておくのも

    一つのベストな選択かも知れない

        しょうがない時もある!!!」  By 島本和彦

というわけで、よなかのとりさんのところで募集がされている「漫画ナツ100」という企画に参加しようと記事を書かせていただきました。

 

ルールは「オススメ漫画を100あげる」だけ。

元ネタが文庫の夏の100冊企画ですので、個人的に読んで欲しい100タイトル、で選びました。

ただ、それでも何かしらの選択基準は必要になります。そこで、今回は自分の漫画読みの歴史を振り返って、自分の趣味に影響を与えた100タイトルという基準で選びました。あと、同じ作者の作品はひとつに絞ることに。

 

最初は感想だけを書いていたのですが、作品名だけじゃ内容知らない人には不親切だな、と思ったので、簡単なあらすじもつけました。書いてて面倒なこと思いつくんじゃなかったと思いましたが(笑

 

もし読んだことのない作品があり、興味を惹かれましたら是非読んでみてください。

エクセルデータ → 「100.xls」をダウンロード

  

(以下、100+2タイトル続きます。長いのでご注意ください)

【小学校以前~小学校低学年時代】

1.「タンタンの冒険旅行」 エルジェ 福音館

少年記者タンタンの冒険を描いたエルジェの冒険漫画シリーズ。

図書館で毎回のように借りていた本。江戸川乱歩やジュヴナイルの世界名作全集、伝記ものとかが好きな低学年の子供時代でしたが、似た魅力を感じたのでしょう。オールカラで、大人になっても持っていたい本。てやんでぃのバーロー岬!

 

2.「キャプテン翼」 高橋陽一 集英社

サッカーボールと友達で育った大空翼は、天才GK若林、ブラジル帰りのロベルト本郷らと出会う。サッカー漫画の金字塔。

ジャンプコミックスとの出会い。必殺シュート、流行りましたよねぇ。サッカーの戦術とかほとんど関係ない世界ですからね。

 

3.「風の谷のナウシカ」 宮崎駿 徳間書店

人が住めない腐海が広がる世界。風の谷の姫、ナウシカは戦争に巻き込まれ腐海の奥へと行くことになる。ジブリ映画でも有名な、自然と人との物語。

初めて自分のお小遣いで買った漫画本。最初がこれか……5巻が全然出なくて、かなりやきもきしていた気がします。小学生に数年は長い……。

 

4.「人類ネコ科」 みず谷なおき 小学館

女嫌いの高校生七瀬北斗は、学園のアイドル谷山舞奈に惚れられてドタバタの学園生活が幕を上げる。恋愛から成長、高校生活の終わりまで、丁寧に描いたラブコメディ。

世間でラブコメといえば高橋留美子だった時代、なぜか私はみず谷なおきに深くハマっていました。「金太の大冒険」を知ったのもこの漫画だった……

 

5.「修羅の門」 川原正敏 講談社

一子相伝の幻の武術・陸奥圓明流。不敗を誇るその技を使うのは、普通の体格のとぼけた男、陸奥九十九だった。陸奥圓明流が世間に姿を現したとき、格闘技界に戦慄が走る……。

月刊少年マガジンはお色気とバトルが当時小学生だったわたしの心を掴んだわけですが(笑)、修羅の門は主人公が最初から最強設定なのにバトルシーンがダレない見事なストーリーテリングの技術。

  

【小学校高学年時代】

6.「火の鳥」 手塚治虫 角川書店

不死鳥、火の鳥を軸に人の生と死、歴史を描く手塚治虫のライフワーク。

当時お小遣いのない小学生のわたしが図書館で読めた漫画。「火の鳥」は八百比丘尼の「異形編」が好きでした。あと、ロビタが集団自殺していくシーンはものすごく印象に残っている。

 

7.「はだしのゲン」 中沢啓治 中央公論新社

原発ですべてが変わった。ゲンたちが見た人の変わりよう、変わらないものたちを描く。

同じく図書館で読んだ漫画作品。家族が焼け死ぬシーンは怖くて仕方がなかった。そして似非坊主として笑ってお経を読むシーンがおかしくも悲しく、また怖い。

 

8.「WORLDS」 藤崎竜 集英社

交通事故に巻き込まれた少年が目を覚ました世界は殺伐とした別世界だった。今まで生きていた世界は夢の世界だったのか……そして待つ衝撃の結末。藤崎竜初期短編集。

ジャンプは当時の小学生として話題についていけるように読む程度だったのですが、その中で初めて作者の名前を覚えてその人の短編が載るジャンプを買うほどにのめりこんだ作品。当時、WORLDSのラストは怖くて仕方なかったです。あと、手書きの雲が好きで好きでしょうがなかった(笑

 

9.「花の慶次」 原哲夫 集英社

隆慶一郎の小説「一夢庵風流記」原作。戦国一の傾奇者・前田慶次を主人公にした歴史もの。

「いわば敗者の側の武将なのに後世に名を残している。きっとすごい武将に違いない、と調べたらやっぱりとんでもない男だった」とはたしか隆慶一郎の言だったか。違うかもしんない。秀吉との対面の場面が好きです。

 

10.「ジョジョの奇妙な冒険」 荒木飛呂彦 集英社

ジョースター家の血筋にまつわる因縁を描いた物語。現在も続いていて、世界観が大変なことになっている。

第一部第二部も嫌いじゃないですが、やはり抜けて人気が高いのが第三部と第四部。わたしは第三部派です。何よりもキャラクターの魅力につきますね。

 

11.「おざなりダンジョン」 こやま基夫 学習研究社

モカ、キリマン、ブルマンの3人のパーティは「白の魔術師」から依頼され、彼の「奥さん」を助け出す仕事を受ける……剣と魔法の世界で繰り広げられる冒険活劇。

小学校の頃にハマったファンタジーものその1。物語が転がってどんどん話が大きくなっていく様が爽快。

  

12.「聖伝」 CLAMP 新書館

汝ら天を滅ぼす破とならん……予言を受け殺せと命じられた幼き阿修羅を助け、夜叉王は天界と戦う道を選ぶ。インド神話をベースにした壮大な戦いの物語。

小学校の頃にはまったファンタジーものその2。上記の「おざなりダンジョン」と合わせて、ノーラとウィングスという、ともに少女漫画雑誌での連載だったのですが、この2作品を読むことで少女漫画読むことへの抵抗感というのは相当に薄れたと思います。

 

13.「寄生獣」 岩明均 講談社

ある日、寄生生物たちが一斉に人間に寄生した。人を模し、人を喰らう寄生生物たち。頭ではなく右手に寄生したため、奇妙な共生をすることになった泉新一は、寄生生物との戦いに巻き込まれていくことになる。

青年コミックスとの出会いその1。母親のシーンはしばらく立ち直れなかったほど衝撃を受けた。

 

14.「3×3(サザン)EYES」 高田裕三 講談社

不老不死の術を使う三只眼吽迦羅の生き残りのパイと、彼女に助けられて不死者になった藤井八雲の、人間に戻るための壮大な冒険活劇。

青年コミックとの出会いその2。正直第一部はエロくて小学生にわたしにはイマイチ面白さが分かりませんでしたが(笑)。2部からの展開は、わくわくしました。召喚獣という設定がたまりませんね。

 

15.「MASTERキートン」 浦沢直樹 小学館

元SASのサバイバル教官、平賀=キートン・太一は今は平凡な保険調査員として世界各地に足を伸ばす。しかし、伸ばした先に厄介事はついてくるもので……

完全版刊行、おめでとうございます。それはともかく。青年コミックとの出会いその3。連作短編、というオヤジ雑誌特有の形式に親しんだきっかけの作品。

 

16.「リビングゲーム」 星里もちる 小学館

土地が高騰してマイホームなど一介のサラリーマンには夢という時代の“マイホーム”コメディ。田舎から出てきた氷山一角(いづみ)は中卒の少女だった……。彼女を受け入れた会社は、しかし倒産してしまい……

働くこともよく分からない小学校時代に、単なるラブコメとして楽しんだコミック。今読むと全然違う読後感。ラブコメの割に、皆、抱えている現実が重すぎる……。

 

17.「シャカリキ」 曽田正人 秋田書店

「坂やったら誰にも負けへん」負けず嫌いの野々村輝は、自転車を買ったそうそう坂の町に引越したことで、坂バカへとなっていく。挑むべきは自分。クライマー輝の熱い戦いの軌跡。

スポーツものといえば、サッカー、野球、柔道、という時代に、自転車モノという変化球で熱血していた作品。小学生でチャンピオンを読む人も少なかった……。

 

18.「いけないルナ先生」 上村純子 講談社

神谷わたるは勉強も運動もからきしなダメ人間。下宿人の女子大生・ルナは彼の将来のためにエッチな個人授業で体当たり指導!

性の目覚め!(笑

これは有害コミック運動の犠牲者でしたが、昨今のお色気系作品見ると可愛く見えるなぁ……

 

19.「らんま1/2」 高橋留美子 小学館

拳法の達人、早乙女乱馬は水をかぶると女の子に変身してしまう!? ドタバタコメディ。

入浴シーンを自然に話の中に織り込む設定の妙。男らんまと女らんまの描き分けの妙。エロくないんだよね、恥ずかしがらないから(上からの続きでコメントがエロねたに……)。

  

【中学生時代】

20.「機動警察パトレイバー」 ゆうきまさみ 小学館

続発するレイバー犯罪に対応するため設立された特車二課。第二小隊に配属された泉野明は新型レイバー・イングラムとともに犯罪に立ち向かう。

前作「究極超人あ~る」の雰囲気をついでのほほんと始まったロボットものが、途中から社会派に変わる。ちょうど小学~高校という時代だったので、作風の変化がとくに違和感なく受け入れられました。

  

21.「青空しょって」 森秀樹 小学館

父親は優勝争い途中の17番のバンカーで十数打叩くも出ず、そのまま行方不明に。飛田一八は世界一のプロゴルファーになるためにゴルファー養成所「音無島」へ行く……。

とんでもゴルフ漫画から始まり、中盤リアル路線になり、終盤ふたたびとんでも展開になるというジェットコースターのような(絵柄もジェットコースターのように変わる)ゴルフ漫画。ティーの代わりにサイコロ使うのが格好よかった。実際にはOKなのかね?

 

22.「うしおととら」 藤田和日郎 小学館

少年うしおは自宅の倉の中で槍に縫いつけられた化物・とらと出会う。誰も抜けなかった“獣の槍”を少年が抜いたとき、過去から繋がる戦いの続きが始まる。

藤田和日郎デビュー作。読んだのは2話目からだったかな? もう見開きのインパクトでまずやられて、熱い展開にふたたびやられました。物凄い感情が伝わってくる漫画。

 

23.「コータローまかりとおる!」 蛭田達也 講談社

空手の天才・コータローはスケベで不真面目。長髪をなびかせ、今日も自由きままに学園を闊歩する。おちゃらけ学園バトル漫画。

超ロング作品(当時の少年誌にしては)を途中から遡って頑張って追った作品。普段のシーンのコメディっぷりと、シリアス展開とのギャップというか、共存が斬新でした。D地区編から化けたと思います。

 

24.「疾風伝説 特攻の拓」 所十三 講談社

いじめられっ子、浅川拓は、“外道”の秀人と出会い、彼の強さにあこがれる。そしてヤンキーたちの世界へと、望まぬならがも巻き込まれてゆく……。

ヤンキーもの。当時のマガジンは「カメレオン」とこれとがヤンキーもの二本柱だったように記憶しています。どちらの主人公も幸運で凄いように誤解される展開は同じだったのですが、主人公の感性が一般人に近い「拓」のほうがわたしは好きでした。この作品の影響で、当時のマガジンは「!」「?」が溢れかえってました。独特の台詞回しは今でもよくネタにされています。

 

25.「ウィザードリィ外伝」 石垣環 宝島社

ホウライの名家の跡取り・ショウは、戦争にて敵国の姫将軍・ルーとの戦闘中、ドラゴン、ル・ケブレスに迷宮の中へと召喚されてしまう……。

ウィザードリィ+剣術! 真価は2部からですヨ。舞台設定が最小限に抑えられているために想像力を刺激するRPG、ウィザードリィ。想像力が暴走した結果、見事な化学反応が起きた好例。

 

26.「三国志」 横山光輝 潮出版

時代は中国の後漢末期。劉備は関羽、張飛と義兄弟の契りを交わし、世を騒がす黄巾賊の乱を鎮めるために義勇軍を立ち上げる……。

吉川英治三国志を下敷きにした、横山光輝三国志。日本人の劉備びいきのA級戦犯(?)は吉川英治と横山光輝の二人に間違いない。登場人物の多いこの作品を実に丁寧に、読みやすく、かつ面白く描き切った傑作。

 

27.「AKIRA」 大友克洋 講談社

第三次世界大戦から38年、人類は新たな繁栄を築きつつあった。金田は、高速道路を暴走中、超能力を使う、老人のような子供と出会う。

絵の力に圧倒される作品。世界観の説明が、見開きの絵一枚見れば分かる圧倒的な説得力。金田のバイクは憧れたものです。

 

28.「オルフィーナ」 天王寺きつね 角川書店

少女ファーナを助けたのは、彼女と瓜二つの容姿をした姫君オルフィーナだった。銃や火器を操る敵国に攻め落とされたとき、ファーナはオルフィーナとして生きることになる。

ファンタジー+銃器、というのはこの頃からかな? 可愛い絵柄で、ばんばん敵味方死んでいくスピーディーな展開。長い物語ですが、一気に読めてしまいます。最初、白夜書房から出ていたのですが、すぐに手に入らなくあちこち探したものです。

 

29.「ロトの紋章」 藤原カムイ エニックス

ドラゴンクエスト3後の、ロト伝説を下敷きに、勇者アルスと仲間たちとの冒険を描いた冒険作品。

ドラゴンクエストの世界観を豊かに漫画化した傑作。オリジナル呪文も世界観を壊さずうまく機能している。獣王グノンとの戦いは印象的。戦えない人との溝まで描く。

 

【高校時代】

30.「がんばれ酢めし疑獄!」 施川ユウキ 秋田書店

施川ユウキによるギャグ漫画。絵を描くのが嫌いな漫画家が、台詞回しやナンセンスさで笑いをとる。

ギャグ漫画はあまり好まなかったのですが、一コマ漫画「神がかり的反省で逆転無罪!!?」で心を鷲掴まれました。ジワジワくる笑いの作品。

 

31.「グラップラー刃牙」 板垣恵介 秋田書店

空手の大会で、白帯の少年が決勝まで勝ち進んだ!? その正体は東京ドーム地下で行われる裏の格闘大会のチャンピオンだった。最強生物オーガの息子、範馬刃牙の成長を描く格闘漫画。

学生時代チャンピオン派だった主な理由。ネットでさんざんネタにされている作品ですが、「グラップラー刃牙」時代は間違いなく名作でした。

 

32.「特攻天女」 みさき速 秋田書店

和泉祥、中学2年生。レディース夜桜会の特攻隊長。彼女に、巨大暴走族、鬼面党の党首・高村大が惚れたことで物語は動きだす。一途でまっすぐな性格の祥が、不良たちの心の闇を照らしだし、救い、あるいは絶望へと追いやる。

続けて週刊少年チャンピオンから異色のヤンキーもの。主人公がバイクに乗らないのも新しい。世間に染まらない不良格好いい、という形にいかず、エゴから生まれる負、そしてその連鎖が救い難いところまでいく展開は圧巻。

  

33.「BMネクタール」 藤澤勇希 秋田書店

食糧危機を救う奇跡の食材、BM(バイオミート)。その正体は、金属以外は何でも喰らう新種の生物だった。完全に管理下に置かれていたBMが地震のため外に出てしまったがために悲劇が始まる……。

パニックものの傑作。何でも食べて増殖するBM。それは当然“人”も含まれる。全体が三部構成になっているのですが、中でも2部は、密閉空間、複数の思惑が交錯する展開、主人公たちに経験、(わずかながらも)反撃する力がある、と絶妙のバランスで飛びぬけて面白い。

 

34.「鉄鍋のジャン」 西条真二 秋田書店

「料理は勝負」が信念の主人公・秋山醤(ジャン)が、ひたすらに料理バトルを繰り拡げる。

何はともあれ、主人公の性格の悪さが新しい。ひたすら料理勝負が続く展開ながら、主人公の嫌われ者っぷりと、予想もつかない効能(料理食べてぶっ倒れるとか)などで飽きさせない。飲めるラー油を使った炒飯は再現しているサイトさんがありましたが、美味しそうでした。

 

35.「各駅停車」 谷川史子 集英社

鎌倉を舞台に、三組の男女の仲を描くオムニバス短編。

谷川史子作品との出会い。シンプルな画風で、丁寧に心情を描く。暗くなりすぎない、真っすぐな作風が好き。

  

36.「ここはグリーン・ウッド」 那州雪絵 白泉社

蓮川一也が兄の新婚家庭から逃れるために入った寮「緑林寮」。男子校でのどたばたな毎日が始まる。

花とゆめとの出会い。古文の立山先生が好き。男子校を舞台にしている少女漫画だけれども、普通に恋愛ものでもあるのが男にも読みやすい。「僕がついているよ」は名言。

 

37.「動物のお医者さん」 佐々木倫子 白泉社

札幌市にある「H大学獣医学部」を舞台に、獣医を目指す学生の日常をコメディタッチで描く作品。

大学生活への憧れを刺激する作品。変な登場人物ばかりで、別段人情ものというわけでもないけれど、愛らしい動物たちとなんでもない日常が読んでいてくすりとさせてくれる。

 

38.「彼氏彼女の事情」 津田雅美 白泉社

仮面優等生の宮沢雪野は、ひょんなことから同じく優等生の有馬総一郎に正体がバレる。見栄っぱりだが努力家の女の子と、過去に縛られて優等生にならざるをえない男の子との成長物語。

1巻の疾走感が素晴らしい。その勢いそのままに、一気に話を広げていく。男でも読める少女漫画、というよりも、男女関係なしに素晴らしい青春物語。

  

39.「ドライエック」 やまむらはじめ 大都社

探偵・結城真丈はハードボイルドになりきれない。守るはずの女性に守られたり、と自分の有り方に悩みながらも、日々を過ごしてゆく……。

アワーズは当時は季刊で、ヤングキングの増刊扱いだったんですよね。ホビージャパンや富士見で描いてたやまむらはじめですが、基本暗い作風が、私立探偵という設定と絶妙にマッチした作品。決断できなくても前に進まないといけないときはある。

 

40.「羊のうた」 冬目景 幻冬舎

高城一砂は貧血に似た症状に悩まされたいた。ある日、生き別れた姉・千砂と出会い、それが一族に伝わる吸血という病と知る。

雰囲気に一発でやられた作品。和服! 黒髪! 吸血鬼!

掲載誌がずっと同じだったにも関わらず出版社がころころ変わったのも印象的。スコラ社 → ソニーマガジンズ社 → 幻冬舎。全7巻のわりに掲載期間も長かった。

 

41.「哭きの竜」 能條純一 竹書房

鳴けば鳴くほど手が高くなる。異形の打ち手、竜と、その竜の持つ強運を欲しがるヤクザたちの物語。ヤクザたちの抗争をよそに、竜はただ淡々と麻雀を打つのみである。

当時麻雀を知らなかったのに一気読みした麻雀漫画の金字塔。麻雀漫画のくくりだが、メインストーリーはヤクザものであり、劇画としての面白さも抜群。

 

42.「俺たちのフィールド」 村枝賢一 小学館

高杉和也の父はサッカー選手。Jリーグ発足直前。日本サッカー界の未来に夢を見ていた矢先、父は事故で亡くなり、和也は一時期サッカーを離れることになるが……

サッカー漫画としての面白さもさることながら、Jリーグ設立、ドーハの悲劇、ワールドカップ初出場、と現実のサッカーとのリンクっぷりが神がかっている作品。

 

43.「ベルセルク」 三浦健太郎 白泉社

身の丈ほどの鉄剣を背負い、義腕にはクロスボウを仕込んだ大柄な戦士・ガッツは、魔物を討つために旅をしていた。あまりにも大きな剣のわりに洗練された剣技を使うガッツは、過去に魔物たちと因縁があるようで……

圧倒的、というしかない描写力、物語、暴力、性。ダークファンタジーの傑作。

 

44.「かいしゃいんのメロディー」 大橋ツヨシ 竹書房

うずら谷や左右など、ちょっととぼけたキャラクターが会社で仕事をしたりしなかったり。ボケてボケてボケたおす、シュールな会社員ギャグ4コマ。

まんがくらぶ連載。4コマに親しんだ作品。こんな会社あったら……胃に穴が開くかも(笑

 

45.「燃える女子プロレス」 島本和彦

平成の怪物、アジャ・コング。そんな怪物と互角に渡り合える168cm63kgのヒロインがいた……女子プロレスラー、豊田真奈美の成長と躍進を描いた物語。

島本和彦によるプロレスドキュメンタリー漫画。高校時代にプロレスにハマって、いろいろ関連書籍読み漁る中、一番インパクトが強く心に残った作品。女子に限らず、プロレス入門書としても最適の1冊。

 

46.「1・2の三四郎2」 小林まこと 講談社

アメリカから東三四郎が帰ってきたとき、日本のリングでは古巣の新東プロは倒産しており、赤城欣市率いるキックやサブミッションを重視した格闘技系プロレスが流行っていた。団体再建をかけ、三四郎の新たな戦いが始まる。

プロレス愛に溢れた作品。プロレスラーは強くなくてはならない、というメッセージを画面の端々に感じる。格闘技ものとギャグ漫画とが両立している作品。続編にあたるが、これのみで読んでもまったく問題はない。

 

47.「プロレススターウォーズ」 みのもけんじ 集英社

1980年代。日本はプロレスが大ブーム。その日本の地盤を奪おうとアメリカからの刺客が襲う。実在のレスラーばかりが登場し、現実とファンタジーの融合したプロレスを存分に楽しめる作品。

ロードウォリアーズが強すぎる! プロレスは見世物だ、格闘技じゃない、といろいろかまびすしい世の中ですが、そんな理屈を吹っ飛ばす面白さ。レスラーもラリアットを喰らってライトまで吹っ飛ばされますよ!

 

48.「百花庭園の悲劇」 山田章博 新書館

舞台は近未来のネオ香港。「そこに棲む妖精を見た者は死ぬ」という伝説の残る百花庭園に、刑事を辞め、タクシードライバーを営む男が挑む。

「十二国記」のイラストなどで知られる絵師・山田章博によるハードボイルド長編。極端に減らされた情報、線で描かれる耽美な世界を味わう一品。

 

49.「Spirit of Wonder」 鶴田譲二 講談社

魅力的なマッドサイエンティストたちが奏でるSF狂想曲。タイムマシンやエーテル航行など、SFの素材を使った幻想的な作品集。

チャイナさん編がやはり印象に残っています。独特の流麗な絵柄に、SF愛に溢れた短編の数々。とくに氏の描きだすマッドサイエンティストたちは本当に楽しそうです。

 

【大学時代】

50.「キャットルーキー」 丹羽啓介 小学館

雄根小太郎は速球が持ち味のルーキー投手。万年最下位のトム・キャッツは、優勝しなければならない事態になり、ルーキーたちが発奮する。ルーキーたちの活躍を、ペナント通して描いた作品。

必殺技が出る古きよき野球漫画と、リアリティ追求になってきた現代の野球漫画とがよい融合をした作品。総合点ではいろいろこれに優る作品はあるだろうけれど、わたしは好きな野球漫画ではまずコレをあげます。第三部の魔球を巡る話が大好きです。

  

51.「ブレイクエイジ」 馬頭ちーめい アスキー

大型体感ゲーム「デンジャープラネット」はロボットものの格闘ゲーム。リアルなグラフィックと奥深いシステム、全世界につながったネットワーク回線。仁村桐生はこのゲームを通じて様々な人と出会い、成長していく。

今のアミューズメント業界って、結構ブレイクエイジの描いた世界に近いんじゃないかと思う。ロボットもの、青春ものとしても楽しい作品。

 

52.「ヒカルの碁」 小畑健 集英社

進藤ヒカルは碁盤に憑く幽霊・藤原佐為に憑かれ、碁の世界へと足を踏み入れる。

ジャンプ作品は雑誌で読むだけのが多いなか、珍しくコミックスまで買って何度も読み返しました。囲碁の競技人口が爆発的に増え&若年化したことでも有名な作品。ヒカルの成長物語として、また、ライバルとの切歯扼腕がただでさえ面白いのに、幽霊の佐為が絶妙のジョーカーとして物語の面白さを何倍にもしている。

 

53.「ワンピース」 尾田栄一郎 集英社

ルフィはかつて海賊のシャンクスに助けられる。数年後、彼はひとりボートを駆って海へと乗りだす。海賊王になるために。

この作品を抜きに現在の漫画シーンは語れない。とくにアラバスタ編までの前半は文句なしに面白い。30代~40代あたりの漫画読みはジャンプ黄金期をなつかしむとともに当時はよかったと言うが、これと、後に挙げる「鋼の錬金術師」が現在進行形で読めるだけ(「鋼の錬金術師」は大団円を迎えましたが)、現在の漫画読みは幸せだと思う、とここ数年主張しています(笑

 

54.「聖戦記エルナサーガ」 堤抄子 エニックス

皆が“魔法”を持っている世界で、“魔法”を持たない姫エルナ。敵国アンザスの王子シャールヴィに攫われることで、限りなく優しい彼女の戦いが始まる。

もう、何といっても魔法シーンが格好いい。そして物語の構成力が見事としか言いようがない。ザンスの昔から「魔法がない=実は最強」図式があるが、エルナの場合、最強の武器が使えるだけで本人はやっぱり無力。それでいて、一番他人のことを気にかける。全編通してハラハラし通しである。

 

55.「フルーツバスケット」 高屋奈月 白泉社

動物憑きの奇妙な体質を持つ草摩家の面々。その分家近くで一人暮らし(テント暮らし)をしていた本田透は、見かねた草摩由希から居候をさせてもらうことに。

様々な心の傷と向き合うドラマ。暗くなりがちな展開を、キャラクターの性格で読みやすくしている。猫年、欲しいですよねぇ。世界一売れた少女漫画としてギネス登録もされているとか。納得の面白さ。

 

56.「弓道士魂」 平田弘史 マガジン・ファイブ

京都三十三間堂にて行われる「通し矢」競技。今では成人式の行事の一環のように思われているが、江戸時代、武士が藩の期待すべてを背負って命がけで臨む競技であった。日本惣一を成し遂げた星野勘左衛門を軸に、「通し矢」の始まりから終わりまでを描く。

江戸時代。平和な時代の武士が、己の命をかけて挑む競技。気が狂っているとしか思えない行動理念に、その末の鍛え抜かれた技量、それすらも無駄に散る無常感……歴史ものとしても弓道ものとしても飛びぬけた傑作。

 

57.「沈黙の艦隊」 かわぐちかいじ 講談社

日米共謀により極秘裏に建造された原子力潜水艦「シーバット」。その艦長である海江田四郎は試験航海中に反乱、独立戦闘国家「やまと」を名乗る。「やまと」の目的はどこにあるのか……

かわぐちかいじ作品の言葉には力がある。言葉に力があるので、政治の場面の迫力が他の作品とは段違い。単なる交渉シーンがこれほど面白い漫画も他にない。戦闘シーンもさることながら、言葉の力というものを感じさせてくれる作品。

 

58.「賭博黙示録カイジ」 福本伸行 講談社

自堕落な生活を送っていた伊藤開司は、友人の連帯保証人にされたことによって多額の借金を背負ってしまう。その借金の帳消しにする可能性がある、ということで乗りこまされた船“エスポワール”で、前代未聞のギャンブルが始まる。

最初の5巻までは必見! 結末まで練りに練られた展開は、偶然の要素の強いギャンブルものにおいて、知略でどこまで抵抗できるかということを示している。麻雀漫画が多い福本作品。麻雀知らない人で最初に読むなら、コレか、銀と金をオススメします。

 

59.「ミリオンシャンテンさだめだ」 片山まさゆき 竹書房

大学生・宿命田の配牌は悪い。とことん悪い。そんな彼の所属する麻雀部に、身体も配牌も超弩級のメロン畑が入部した。大学麻雀大会を通じて、宿命田の悪戦苦闘を描く麻雀青春漫画。

片山まさゆき作品では、完成度でいえばノーマーク爆牌党に軍配が上がりますが、個人的に好きなこちらをオススメ。いやぁ、わたし配牌悪いんで、すごい共感できるんですよ。あと、脇役のキャラも立っていて、打ち筋とキャラの親和率も高い。ノー爆だけしか読んでいない方は、是非こちらもどうぞ。

 

60.「バード 砂漠の魔術師」 青山広美 竹書房

全自動卓で天和を決める伝説のバイニン・蛇に対抗するために、般若組が呼び寄せたのは、ラスベガスでマジシャンを生業とするバードと呼ばれる青年だった。全自動卓天和の謎を巡り、バイニンとマジシャンの真剣勝負が始まる。

現在近代麻雀にてリメイクされていますので、こちらが手に入らなければリメイク版もどうぞ。全自動卓天和を巡る駆け引きは、麻雀を知らない層にも楽しめます。驚愕の技に、それへの反撃、結末まで。計算されつくした一品です。

 

61.「天牌」 嶺岸信明 日本文芸社

大学を辞めて麻雀一筋でやっていこうとする沖本瞬を中心に、麻雀に人生を捧げた博徒たちの群像劇を鮮やかに描き出す傑作長編。

ただひたすらに麻雀を打ち続ける。何の衒いもなく、ただただひたすらに麻雀。さまざまな登場人物たちが出てくるが、ほとんどが麻雀に人生を捧げ、わずかな牌の後先に人生を狂わされる。現在の麻雀漫画を語るにおいて避けては通れない作品。

 

【書店員時代前半】

62.「エマ」 森薫 エンターブレイン

19世紀末イギリス。貴族のお坊ちゃんが恋した相手は寡婦の家庭教師宅に住み込みのメイドだった。身分を越えた恋愛物語。

英国メイド! 眼鏡! 好きなことを追求していったら画力が凄いことになった作品。メイド好き、というだけではくくれない、恋愛大河ドラマになっています。

 

63.「カルバニア物語」 TONO 徳間書店

男前なエキュー(胸はないけど女性です)や大国初の女王タニアたちの繰り広げる、カルバニア王国の王室コメディ。軽いノリですが、陰謀や謀略も結構うずまいていますヨ?

エキューが格好いいというか可愛いというか……あっさりした絵柄で、コメディ色が強いのですが、心の機微を丁寧に掬った作りで、深刻な内容も笑いに変える見事さです。

 

64.「ARIA」 天野こずえ マッグガーデン

火星に作られた水の都ネオ・ヴェネチア。そこは機械文明は極力排され、移動手段はゴンドラ。ゴンドラの乗り手ウンディーネになった灯里は先輩や同輩に導かれながら、今日も日常に溢れたよいことを一杯見つけるのです。

水を描かせたら日本一の漫画家かもしれない、天野こずえによる癒し系コミックス。未来の話ですが、流れる時間はひたすらにゆったりとしている。不思議な世界観をお楽しみください。

 

65.「アイシールド21」 村田雄介 集英社

小早川セナは気が弱いパシリの少年。その足の速さに目をつけた先輩が、アメフトの道へと誘い込む。専門職のスポーツ、アメリカンフットボールの物語が幕を開ける。

キャラ立ちと専門職のスポーツであるアメフトの特性をうまく融合させた作品。日本人には馴染みのないスポーツだが、試合ごとにチームでできることを増やすことでルールの説明に変えているところも巧い。

 

66.「鋼の錬金術師」 荒川弘 スクウェア・エニックス

エドとアルの兄弟は、亡くなった母親を錬金術で蘇らせようとして失敗し、その代償として身体を“持って”いかれた。その身体を取り戻す旅を描く一大冒険絵巻。

錬金術、賢者の石、ホムンクルス……魅力溢れるパーツに、安定した画力、そして何より卓越した構成力。最後まで破綻することなくまとめられた物語は読まないのは勿体ない傑作に仕上がっています。

 

67.「よつばと!」 あづまきよひこ メディアワークス

5歳の女の子「よつば」が出会う日常の中の「はじめて」や「感動」を描く。

子供の発想というのには驚かされることが多い。それをネタにした漫画は鉄板で面白い。そんな子供ネタの作品群の中でも、飛びぬけて面白いのがこの作品。何より4コマなどにせず、きちんと背景も含めた画面の構成力が飛び抜けている。

 

68.「真月譚月姫」 佐々木少年 メディアワークス

遠野志貴はモノの“死”を点や線といった形で見ることができる。ある日、衝動的に殺してしまった相手は、不死身の吸血鬼の姫で、彼は彼女を巡る吸血鬼同士の争いに巻き込まれてゆく。

同人ゲームとして異例のヒットを飛ばしたTYPE-MOON「月姫」のコミカライズ作品。膨大な量の原作、様々な隠された設定を噛み砕き、独自の解釈を施し、マルチな物語を一本にまとめ、単独でも抜群に面白い作品に仕上げた離れ業。原作ファン以外にもオススメできる逸品。

 

69.「G戦場ヘヴンズドア」 日本橋ヨヲコ 小学館

堺田町蔵は漫画家である父を嫌悪し、かといってかわりになりうる何物も見つけられず、ひとり小説を書く日々を過ごす。ある日、その小説に感動した長谷川鉄男と出会う。二人の漫画道が始まる。

物語を作るエネルギーというのはどこから出てくるのだろうか。漫画描きによる漫画描きをテーマにした作品。はたして漫画家とは誰に向かって書いているのだろうか……。

 

70.「金魚屋古書店」 芳崎せいむ 小学館

漫画専門古書店「金魚屋古書店」。絶版漫画だけを扱うこの古書店に三々五々集まる漫画好きたちの漫画にまつわるエピソードをお楽しみください。

漫画好きのためのマンガ漫画。現在進行形の漫画から、プレミアのついた絶版漫画まで。人生に漫画あり。あなたの人生にはどんな漫画の影響がありますか?

 

71.「トリコロ」 海藍 芳文社

七瀬八重の家に、母親の友人の子供たち二人が居候で来た。同級の彼女たち三人の日常を描く4コマ。

いわゆる萌え4コマの走りであるこの作品。現在3巻まで刊行されていてまだ終わっていません……今の萌え4コマの主流であるゆるーい日常ではありますが、コマの情報量も多く、毎回オチもしっかりあります。もしこれがずっとトップランナーを走り続けていたら今の萌え4コマ周りの風景もちょっとは違ったものになっていたかも……。

 

72.「おおきく振りかぶって」 ひぐちあさ 講談社

三橋廉は気が弱く自虐的。しかし投げることに異様にこだわり、中学のときはそれでチームメイトとうまくいかなかった。高校は新設の硬式野球部。そこで三橋は新たなチームを築いていく。

心理描写と試合風景を丁寧に描いていく、まったく新しいタイプの高校野球漫画。トレーニング風景などにも紙面を割き、ゆっくりとしたテンポで描く。BL的な印象がネットで広まってしまっているが、そんなことはない作品なので、是非手にとってほしい作品。

 

73.「ハチミツとクローバー」 羽海野チカ 集英社

花本はぐみは子供っぽいが、数々の芸術作品をすでに残している美大生。同じ大学に通う森田や竹本、真山らは、彼女に出会い、さまざまな刺激を受けてゆく……

美大を舞台にした青春群像劇。青春スーツなどの独特の表現や、自転車で北海道までつっぱしてしまう若さなど、痛々しくも活力にあふれた一時期を切り取る。

 

74.「皇国の守護者」 伊藤悠 集英社

長らく太平を謳歌していた島国〈皇国〉に、突如〈帝国〉の艦隊が攻め寄せる。新城直衛率いる剣牙虎隊は、戦慣れしていない上官の無謀な命令に従わざるをえず、苦戦を強いられる……

架空戦記ものの傑作を、伊藤悠が華麗な筆致で描き出す。寡兵と大軍の決戦の結末は読んでもらうとして、原作者と作画担当とのトラブルで全5巻完結。一応の節目まではいったにしても、ここで終わるには惜しすぎる作品。

 

75.「もやしもん」 石川雅之 講談社

農大新一年生の沢木惣右衛門直保は肉眼で菌が見えるという特殊能力の持ち主。が、それが役に立つという話ではなく、菌とウィルスと人間が右往左往さうる物語(作者談)である。

菌の可愛さで印象に残っている人も多い、世にも珍しい菌漫画。農や菌にまつわるもろもろを真面目に取り上げたり、取り上げなかったり。選択できることが豊かなことである、という立場には共感。

 

76.「東京トイボックス」 うめ 講談社

21世紀のゲームシーン、不親切なゲームは嫌われる……だが俺たちが熱中したのは不親切なゲームじゃなかったか? じゃあ、作ってやるぜ、不親切で熱中できるゲームを!

ゲームクリエイターとキャリアの女性が不親切なゲームを作って売る! 作るだけじゃ売れないゲーム業界、でも面白いゲームを作らなければ未来はない! ゲーム制作現場は熱い! 続編にあたる大東京トイボックスと合わせてどうぞ。

  

77.「ONE OUTS」 甲斐谷忍 集英社

渡久地東亜、沖縄賭け野球出身。契約金はワンナウツごとに○○万円、1点取られるごとに△××万円の出来高払い。異例の経歴と契約でプロ野球界に乗りこんできた男が、弱小リカオンズに奇跡を起こす。

野球版アカギとも称される「ワンナウツ」。野球漫画ではあるけれど、野球に対するアプローチの仕方が従来とはまったく異なる。勝負に対する意識改革を迫る名作。

  

78.「王様の仕立て屋」 大河原遁 集英社

イタリア・ナポリの泥棒市に住む日本人、織部悠。伝説の仕立て屋が唯一認めた弟子であり、超特急の仕事などヤクザ仕事をもこなす何でも屋。世界のダンディの世界を垣間見る。

絵がヘタでも話の運びでここまで面白い作品ができる。とくに日本人には馴染みの薄いスーツにまつわる話を、さまざまな視点から描く。

 

79.「バトルロワイアル」 田口雅之 秋田書店

日本に似た別の世界。中学三年生になると毎年どこかのクラスがランダムにピックアップされて“プログラム”という殺し合いが行われる。その日、選ばれたのは自分のいるクラスだった……

ミステリー賞最終選考で「このようなことを考える作者自身が不愉快」という理由で落され、それが理由で別出版社で出版されベストセラーになった同名作品のコミカライズ。密閉空間での参加者同士殺し合い、という昨今流行りの設定の走りでもある作品。クラス全員の背景を深く掘り下げ、濃い絵柄で一気に走り抜けるような疾走感は必読。

 

80.「ラディカルホスピタル」 ひらのあゆ 芳文社

髭の先生・榊先生を中心に、今日も病院の面々は楽しく真面目に仕事に取り組みます。ファミリー向け4コマのファーストランナー。

とっつきやすい絵柄、病院という馴染みがありながら非日常な空間、毎回きちんとしたオチ、時事ネタも丁寧に拾うアンテナの高さ……と、4コマ初心者には必ずオススメする作品。ファミリー向け4コマの見本のような作品です。

 

81.「ドラゴン桜」 三田紀房 講談社

弁護士・桜木による高校再建計画は「東大合格者100人」を謳い文句にした進学校化だった。そのためにも、現在の生徒を1年で東大に合格させないといけない。受験テクニックをテーマにした前代未聞のコミックス。

表紙に「教えてやる、東大は簡単だ」とあるように受験のテクニックを叩き込む漫画。受験生をテーマにした漫画は数あれど、“受験のテクニック”をテーマにした漫画は多分これが初。受験のみならず、効率性という面であらゆるところに流用できる幅広さがヒットの秘訣。ハウツーものの傑作。

 

82.「喰いしん坊」 土山しげる 日本文芸社

大原満太郎は食にうるさいが一介のサラリーマンだった。しかし、ある日町で大食いをしているハンター錠二と名乗る男と出会うことで、大食いの道を歩き出す。

B級グルメ漫画を描き続けてきた土山しげるが新たに挑んだテーマが“大食い”。食べる側、それも食べ方にテーマを絞った斬新な物語は予想外の展開が続き、非常に面白い。

 

83.「暴れん坊本屋さん」 久世番子 新書館

漫画家・久世番子は駆けだしの漫画家。兼業して本屋でバイトもしています。彼女が描く本屋の何気ない日常は非常にスリリング。

エッセイ漫画。本屋さんの日常がここまで的確に描かれた本が今まであったでしょうか。ページを繰るごとに本屋さんあるある話が溢れだす。客として普段本屋へ足を運ぶ人たちも、その舞台裏をちょっと覗いてみませんか。

 

84.「Lanreaall」 おがきちか 一迅社

領主の息子DXは竜の封印をしている女性に惚れ、彼女を救い出すために竜退治を決意する……

竜退治編とそれ以降の学園編でガラリと雰囲気は変わるが、次第に両者が融合して綺麗な話となる。台詞回し、人間関係、貴族と平民、誇り……そういったものの描き方が何よりも巧い。

 

85.「孤独のグルメ」 谷口ジロー 扶桑社

個人で輸入雑貨の店を営む井之頭五郎はよく食べる。ぶらりと寄った町で見かけた定食屋や焼肉屋に。身構えることなく、ただひとりで食べる時間を大切にする。

独特の間、言い回しに熱烈なファンの多いこの作品。食べるものは美味しいにこしたことはないが、何よりも食べるという行為自体が大事なのだ。あぁ、豚と豚がかぶってしまった。

 

86.「旅マン」 ほりのぶゆき 小学館

ある日目覚めると“旅マン”に改造されている自分に気付く。今までの記憶はない。指令されるままに目的地へ旅を続ける毎日。旅とは何なのか、を問う感動作ギャグ漫画。

旅マンの掟で、1週間に1回旅をしないと死ぬ、とか、日帰りでないと死ぬ、とか、すぐ死ぬ掟が多すぎて笑う。明らかに作者の縛り(ルール)。実際に作者が旅行して漫画にしているのだ。加えて「前回より遠くの地に旅しないと死ぬ」という時限爆弾ルールが仕組まれており、次第に荒れていく旅マン(=作者)の描写は笑いを誘う。衝撃の結末は是非実物を手に。

 

87.「ガラスの仮面」 美内すずえ 白泉社

北島マヤは平凡な少女だったが、一度見た芝居や映画のセリフや演技を忘れず再現できるという特技があった。往年の大女優、月影千草は彼女の素質を見抜き、演劇の道へと誘う。そこで、演劇界のサラブレッド姫川亜弓というライバルと出会う……

あまりにも有名なこの作品。演ずることの執念、面白さ、奥深さは、読めば一気にハマること請け合いである。個人的には北島マヤが一旦落ちてから再起するまでと、亜弓さんがデレてから(?)の盛り上がりが好きである。

 

88.「ナニワ金融道」 青木雄二 講談社

渡る世間はカモばかり。金融会社の仕事は金を貸すことよりも取り立てることである。破産の報を聞いては喜び勇んで差し押さえに行く。金が物言う本音の世界、教えます。

金がないと何もできないが、金があっても怖い怖い。返せるアテのない金は借りるな。けれど、一寸先は闇の世の中、何があるか分からない。金にまつわる悲喜こもごもを変な誇張なく見せつけます。

 

【書店員時代後半】

89.「みそララ」 宮原るり 芳文社

麦田美苑が勤める会社が倒産し、新たに選んだ職場はデザイン会社。新米ライターとして、他の社員と一緒に仕事に四苦八苦しながら取り組みます。

お仕事系4コマの傑作。毎回の4コマ目できちんと落しながらも、ストレスとその解放を長いスパンの物語として描き、人物の成長も見せる離れ業。そのためか、どうしても1巻のパンチ力が弱いので、2巻まで一気に読むことをオススメします。

 

90.「ベイビーステップ」 勝木光 講談社

几帳面で真面目な“エーちゃん”が「身体を動かしてみては」というきっかけで始めたテニスにハマりこむ。自己分析から成長戦略まで、ひとつひとつの課題を丁寧に描いたテニス漫画。

まったく新しい視点から取り組むテニス漫画。が、自己分析から成長戦略まで、一流選手は必ず行っていることでもある。根性やプレッシャーまで理論的に分解する方法論は、ビジネス書にも通じるところがある。紹介されるときに必ずあたまに“地味な”とつくけれど、絵も巧いし、もっと読まれてよい作品。

 

91.「テルマエ・ロマエ」 ヤマザキマリ エンターブレイン

ローマ時代。浴場専門の建築技師ルシウスは、風呂の設定に悩んでいたとき風呂で溺れてしまう。気がついたところは現代日本の銭湯。ルシウスが設計で悩む → 溺れる → 日本の風呂でアイデアを閃く → ローマに戻って閃きを活かす、という話。

ローマ人と日本人、どっちもお風呂大好き! という共通点に立脚したアイデアの勝利。ローマ在住の著者だけに、ローマ史にもきっちり沿っているところが面白い。ルシウスの反応だけでも楽しめる。

 

92.「惑星のさみだれ」 水上悟志 少年画報社

雨宮夕日がある日目覚めたら言葉を喋るトカゲから世界を救う騎士のひとりに選ばれたと告げられる。姫とそれを守る騎士、そして敵の魔法使い。地球を守る超能力少年たちの話……

とあらすじを書くと壮大な話に聞こえるが、実に日常を楽しむ中に異物が混ざるような感覚の作品。伏線の貼り方、暢気な雰囲気と壮大な物語とのギャップ、大人と子供、そうしたものを楽しむ作品。

 

93.「ぼくらの」 鬼頭莫宏 小学館

自然学校に参加していた中学生たち15人。彼らが遊び感覚で契約したのはロボットの操縦の権利。しかし、それは地球を守る戦いだった。そして、ロボットの稼働エネルギーはパイロットの命。負けても死、勝っても待っているのは死。子供たちは極限状態での選択を迫られる……

最初中学生がロボットを操って地球を守るというストーリーを聞いたときは「なんて陳腐な設定なんだ」と思いましたが、そんな甘いものではなかった。退くも死、進むも死、の極限状態で、さまざまなイレギュラーが発生する。最後まで予断を許さない物語に剋目せよ。

 

94.「GIANT KILLING」 ツジトモ 講談社

達海猛。元プロサッカー選手が古巣に呼び戻されて監督をすることになった。弱小団体になってしまった古巣を立て直せるのか。大好物は番狂わせ(GIANT KILLING)。予想外のことが起こるから現実は面白い。

サッカー監督の視点からサッカーを描いた、まったく新しいタイプのサッカー漫画。流動性の高いサッカーは、野球以上に監督によってチームが変わる。サポーターも含め、チーム全体を描いた高い視点から俯瞰するサッカー漫画。

 

95.「真説ザ・ワールド・イズ・マイン」 新井英樹 エンターブレイン

青森県にて連続爆破、警察署襲撃といった無差別テロが起きる。犯人は男性二人組。目的は不明。当然だ。その暴力に理由はない……さらに謎の生物ヒグマドンも現れ、理由のない暴力に翻弄される群衆を描く怪作。

描かれる暴力は果たして何なのか。目を覚ませと読者をひっぱたいているのか、ただ血に酔っているのかすら分からない。分かるのは、ヒューマニズムなどクソ喰らえという怒り。暴力の行きつく先には何があるのか。

 

【現在】

96.「数学ガール」 日坂水柯 メディアファクトリー

放課後の図書室で数学の問題を解くのが趣味の“僕”。才媛のミルカさん、後輩のテトラちゃんなどと一緒に、数学の奥深さに触れる。

数学×青春。数学が前。ひたすらに数式が続く。同名の小説……というか、数学書をまさかのコミカライズ。数学が面白くなること請け合いです。“例示は理解の試金石”

 

97.「ヴォイニッチホテル」 道満晴明 秋田書店

南の島「ブレフスキュ島」にあるホテル・ヴォイニッチ。そこに訪れた日本人の青年は、奇妙な面々と遭遇する。
エキセントリックな宿泊客たちが織りなす悲喜交々人間ドラマ。

死と性がえらく軽く描かれる道満晴明による群像劇。一見日本人の青年が主人公に見えるが話の軸となっているわけでもない。この不思議な雰囲気は是非一読を。

 

98.「鉄風」 太田モアレ 講談社

わたしは充実した人間を許さない……恵まれた身体能力で、何をしてもすぐに人並み以上にできる石堂夏央。まっすぐな瞳で格闘技に打ちこむ馬渡ゆず子に苛立ち、同時に彼女が自分よりはるかに強いことを知り、彼女に挑むために総合格闘技に打ちこむ。歪な少女たちの、格闘技物語。

ひねくれた性格の登場人物しかいねー! 一筋縄ではいかない登場人物たちが、己の信念をぶつけ合いながら格闘技に打ちこむ。丁寧に描かれた格闘シーンと、登場人物の心の機微が見所。

 

99.「花もて語れ」 片山ユキヲ 小学館

テーマは朗読。佐倉ハナは内気な女性。小学校の頃、朗読と出会うが、長くそのことを忘れていた。社会人になり、朗読教室があるのを知ったハナは再び朗読の楽しさを思い出す……

声に出す。それだけのことに、こんなにも人の心を動かす力がある。たった一文でも、声の出し方は千差万別。朗読の力をここに見る。

 

100.「ヒナまつり」 大武政夫 エンターブレイン

インテリヤクザの新田の家には超能力少女が居候している。いくらが好物のその少女に新田は振り回される毎日で。脱力系コメディの怪作が始まる。

いい話のようでひどい話でオチがあんまりだーと叫びたくなる。なんとも表現しようのない、まさに脱力系のコメディ。先の読めなさ含めての面白さ。是非現在進行形で読みたい作品。

 

番外編(コンビニコミック編)

「ドカコック」 渡辺保裕 少年画報社

土方+コック=ドカッコク! 旅の土方、京橋建策。その料理で荒れた現場も元通り。思い出してもらおう、ドカの心!

とりあえず勢いが全てのバカ漫画(褒め言葉)。一見の価値はあるかもしれないし、ないかもしれない。ドカうまーーっ! と叫んでみたい。

 

「麻雀バクチ列車」 原恵一郎 竹書房

九州から東京への夜行列車。その中では賭場が開帳されていた。そんな博打列車の招待状が、かつて出目徳と卓を囲んだ三人の元に届く。

予想外の展開、異形の登場人物たち、イカサマ技の数々、そして強大な敵へ立ち向かっていくヒロイックな展開、裏切り……よくぞまぁ、これほど詰め込んだというほどの密度の高い物語。麻雀もの、長い作品の一部を抜き取った作品、という点を差し引いても読むに値する異形の作品。

 

以上、100+2タイトルでした。

結末まで含めて作品の面白さだと思っているので極力完結しているタイトルを選びました。そんな中完結していないで選んでいるタイトルは、当分終わらないだろうと思われるものと、終わってないけど選ばざるをえないもの、あとはこれからの展開に期待、というものです。

並べてみると、時代時代に読んでいた雑誌が浮かんで自分で眺めて面白かったです。あと、エピックファンタジーもの好きだな、自分、としみじみ。

麻雀ものが多いのは、まぁ、趣味です。ご勘弁を。

 

それではこれが皆様の夏の漫画読書の一助にでもなれば幸いです。

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私が黒髪が好きです。いえ、私のことなんざどーでもいいと考えてらっしゃる方がほとんででしょう。別にこんなことをカミングアウトする必要はまったくないんです。ただ、他の方々のことばっかり書いて、私自身のことはあまり書かずにいるのは不公平かと思いまして、ちょっとくらいは書いた方がよろしいんじゃないかと思ったのです。それでもどーでもいいのならばそれでぜんぜん結構です。喧嘩を売ってるわけでもありません(笑�... [続きを読む]

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