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2011年11月 8日 (火)

「パンむすめ」に学ぶ小売り店舗運営の極意

「こぐまベーカリー! 本日リニューアルオープンですよォー!」(熊飼ちはる)

※以下の記事はビジネス書の体裁を取って樹るうの「パンむすめ」を紹介した記事です。1年を通してパン屋を運営していく話なので結構ビジネス書としても読めるんじゃない? と思ったので試してみました。洒落記事としてお楽しみいただければ幸いです。

 

8月:リニューアルオープン! 引き込め新規客!

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さて、本文をお読みのみなさんは小売り店の経営者なり店長なり、店舗を運営する立場にあるか、あるいは興味があるかと思われます。

「「パンむすめ」に学ぶ小売り店の極意」はパン大好きのパンむすめ・熊飼ちはる(19)と一緒に、店舗運営のコツを見ていきます。

ちはるは新人店長。パンが好きで先代の反対を押し切って、先代が腰をいわせて休業していたこぐまベーカリーをリニューアルオープン。最後まで反対していた先代には、「1年で、先代の平均年収を超えること」を条件に認めさせることに。

はてさて、はたして先代の売上を超えることができるのでしょうか。

  

●何事も最初が肝心

さて、オープンです。ちはるは祖父がやっていた店のリニューアルオープンですが、最初が肝心なのはリニューアルでも新規オープンでも同じ。

ちはるはなんと商品であるパンに地図を焼きゴテで押して配るという手法で打って出ます。商品も分かってインパクトもある宣伝といえましょう。

オープン時、何よりも大事なのはまず来てもらうこと。知ってもらわないと何にもなりません。そして次に、また来たいと思ってもらうこと。とりあえずオープンして、お客の反応を見ながら変えていく、という向きもありますが、改善の余地はベストを尽くしても常に出てくるもの。最初から全力を投入しないと、結局その程度かとお客様からも見られてしまいますよ。

 

 

・インパクトのある宣伝で、客を引き込め!

・オープン時こそ、そのときの最高の態勢で臨め!

 

 

9月:小売り店は憩いの場。常連客を作れ!

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●お客様の顔は覚える!

オープン時のばたばたもひと段落。次に大事なのは常連客を作ること。それには、店をお気に入りの場所にしてもらうことが大事です。

 

誰にでもお金をかけずにすぐにできることは、お客様の顔を覚えること。店の人に知ってもらえるということでぐっと店の存在が身近になってきます。

 

ちはる店長は顔が覚えるのが得意ということで、あっという間にお客様と馴染んでしまいます。それでも商売を忘れないのは偉い。慣れ合いと、親しくなるのは、別物なので要注意。

顔を覚えるのが苦手、という人は、商品と関連付けて覚えましょう。パン職人のなっちゃんに、犬の散歩仲間、と称されていますが、言いえて妙。犬好きなら犬と関連づけて、自分の扱う商品と関連付けてお客様を覚えれば大丈夫です。

 

また、お客様の顔を覚えることは、お客様にこちらの顔を覚えてもらうことでもあります。お互いの距離が縮まれば、こちらの言葉もお客様に届きます。自分の扱う商品は自信を持ってオススメしましょう。

 

 

・お客様の顔を覚えることが常連客作りの第一歩。

・自分の扱う商品は自信を持ってオススメを。

 

 

10月:季節感を大切に! まずは手に取ってもらうことが大事。

03  

●季節感は新たな商材のチャンス

ちはる店長、秋の味覚・秋刀魚に目をつけて、サバサンド風のさんまパンを開発。

秋刀魚+パン、という珍しい組み合わせにお客様も思わず目を止めていますが、慣れない組み合わせにちょっと躊躇気味。

そんなときは試食です。

一度食べてもらえれば(使ってもらえれば)買ってもらえる、という自信があればこそ。買うほうも安心して買うことができます。

 

他にも、お客様の立場に立った対応が、リピーターにつながります。試食だけでなく、残りものではなく焼き立てと交換するなど。残り物は残念ながら廃棄しなければならなくなりますが、交換してくれた、という感謝は再度の来店、新たな売上に繋がります。

 

まずは試してもらうこと。最初に損をするのは店側です。損をしても取り返せるだけの自信のある商品を扱っていることが条件です。そこが店の腕の見せ所でもあります。

 

 

・常に新しいものを扱うことでお客様を飽きさせない。季節感を利用しよう。

・損して得とれ。まずは商品を知ってもらうことが大事です。

 

 

11月:目的に至る道はひとつにあらず! 自分にできることを探そう。

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●人は万能にあらず。

パンが大好きなちはる店長。具材の調理もお手のもの。けれど、実はパンへの愛情が過ぎて、何故か普通の手順で作ってもパンが異常な変形をきたしてしまう、というパン職人にとって致命的な欠点が。

 

けれど、そこで相棒のなっちゃんが提案したのが「オーナーになる」こと。目的(理想)がはっきりしていれば、そこへ至る道はかならずしもひとつではない。自分にできることをやって、できないことは人に助けてもらえばいいのです。

 

「出来ない」と認めることは、有能な人ほどツラいものです。しかし、大事なのは何ができて、何ができないか、ということを明確にすること。別の言い方をするなら、現状認識能力をしっかりと持つことです。

 

自分ができることが他人ができるとは限りませんし、同じく他人ができても自分にできないことは沢山あります。店舗を運営する以上、ほとんどが他の人の助けが必要になります。

何を手伝ってもらえばいいのか。目的をしっかり持って、何を手伝ってもらえるか考えましょう。

 

 

・できないことはできない。無理にしようとせず、他人の助けを借りましょう。

・目標が何なのか、は明確に。

 

 

12月:イベントの季節! マスコットキャラは大事です。

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●一目で分かるマークを

マスコットキャラやロゴマークなど。一目見て、「あ、あそこの商品だ」と分かるのは強力な武器です。認知度、という意味でも、親しみを持ってもらえる、という意味でも、トレードマークとなるものを持っていることは大事。

 

こぐまベーカリーはちはるママが作ってくれた「親方」……「親方」って、また、パン屋らしくない響きだこと。熊の人形は各パーツがそれぞれパンになっていて、実にパン屋らしいマスコットに仕上がっています。

 

さて。12月。

こぐまベーカリーではクリスマスフェアを行うわけですが、ヨーロッパ各地のパンを新商品として提供。

その際、共通デザインとして熊のモチーフを取り入れることで統一感を演出。可愛くも美味しそうなクリスマスフェアの数々は是非コミックスで。親方、大活躍です。

 

季節のフェア、ということでは前述した季節感と同じですが、今回はさらにマスコットキャラで統一感を出すことに成功しています。巧みな演出は+αの効果を得ることができます。

 

 

・トレードマークとなる何かを作れ!

・フェアや企画には統一感を!

 

 

1月:お正月。たまには本業を忘れて。

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●たまには本業を忘れて息を抜こう

前代こぐまベーカリー店長の、ちはるの祖父曰く「パン屋としてパンの美味しさを再確認するために正月三が日パン食を禁ず」。

 

実に含蓄のある言葉で、専門性を突き詰めすぎると視野が狭くなり、同好の士以外理解されなくなったり、自分の好み以外を認めなくなったり、と弊害のほうが強くなります。

 

どっぷりと漬かった専門分野から少し離れることは、自分を客観的に見つめ直すことにもなります。

自分の悪かったところだけでなく、新しい視点を通して改めて本業を見つめることで、思わぬ発見もあること。また、そうしたことがなくても、再開するときには新鮮な気持ちで仕事に取り組めることでしょう。

 

そうした働く側の気持ちというものは意外とお客様に伝わるもの。

新鮮な気持ちで働く、ということは、惰性で働かない、ということでもあります。本業に戻ったとき、改めてそれが好きな自分に気付くでしょう。

 

 

・本業を忘れる日を意識して作ろう。

・自分の仕事を新しい視点で眺めることをしよう。

 

 

2月:もらって嬉しくないバレンタイン? わがままには2種類!

07  

●他人を幸せにするわがままを通せ。

よいものを作る、よい仕事をする、ということにはどうしても妥協ができない場面が出てくる。周りに合わせて「なぁなぁ」で済ますとクオリティは維持できない。

ときにはわがままになる必要が出てくる。

そこで気をつけるのは、はたして「お客様のためのわがままなのか、自分のためのわがままなのか」という違いを意識すること。

 

自分のことしか考えないわがままは、結局周りに迷惑をかけて自分の思い通りには進まないことになります。

我を通して、無茶をした分、譲ってもらった他人に幸せを分けることができるのか、を考えてみましょう。

 

ちはる店長は、品質を落としたくないがゆえに材料仕入れにわがままを通して価格を下げてもらいます。けれど、出来た商品の評判が、材料の業者の発注増につながり、また買ったお客様も美味しい商品を食べて幸せ。

 

商売人たるもの、自分に商売に関わる人全員を幸せにするくらいのわがままを貫きたいものです。

 

 

・妥協をしては品質を保てない! わがままを通せ!

・周りが幸せになるわがままと、ひとりよがりのわがままがあることを知れ!

 

 

3月:目標は大きく具体的に!

08  

●10年後の店の状態を思い描けるか?

ビジネスは常に流動的。一寸先は闇。好事魔多し。翌日の天気にすら一喜一憂するのが小売業ですが、それでもあえて1年後、3年後、10年後の自分の店の状況を想像してください。

それも、できるだけ具体的に。従業員は何人? 店の規模はどうなっている? そのときの運営方法は? 客層や宣伝方法の変化は?

 

目的地点を明確にすることが大事です。

画像はちはる店長が専門学校時代のノート。まだ店を始めていない段階で10年後の計画まで立てています。パン屋で年商3億……なっちゃんも腰を抜かすスケールのでかさです。

ここで大事なのは、3億円! とぶちあげているだけでなく、そこへ至る各段階、至った時点での店の運営状況まで考えていること。

 

もうひとつ大事なことは、現状認識能力です。目標は好きにあげていいのです。その目標は達成できればそれにこしたことはないですが、大事なのは達成することよりも、目標と現状の違いを把握すること。現状では何が足りなかったから目標に届かなかったのか、を把握することが、次の改善につながります。

 

夢は大きく、けれど、地に足をつけて夢を見ましょう。

 

 

・10年後の具体的な店舗の状況を思い描こう。

・どうすれば夢がかなうのか、を必死に考えよう。

 

 

4月:花見客を捕まえろ! 花見客は花を見に来ている。

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●商売人は自分だけ儲けたらいかん!

こぐまベーカリーのある商店街の近くの公園は花見客が集まるところ。商店街としても花見は商売のチャンスです。商店街あげて店頭販売の屋台状態。

 

われらがこぐまベーカリーも、商店街の他店舗と協力して、なんと扇川商店街自慢の7品を詰め込んだバケットサンド、その名も「SENKAWA7」(美味しそうなこのパンの画像は以下略)。採算度外視とちはる店長が言い、自らバカパンと称したら、もう皆バカパンとしいか言わなくなるという……せっかくの命名が(笑

 

先代から上の言葉を言われて、ちはる店長は考えます。商店街の皆とは協力しているけれど、あとは……

 

扇川公園の賑わいを支えているのは、商店街とは関係のない人々。お客が来た、嬉しいなー、で終わらずに、そのお客様を呼んでくれたイベントにも感謝の意を。きちんと形にして。

 

いわゆるメセナ活動ですが、利益還元、と考えると義務感になってしまいますね。大事なのは感謝の心です。ありがとうございます、という心を持ってこその還元です。

 

 

・今、店に来ているお客様は、何故ここに来ているのか、を考える。

・感謝の心はきちんと形にしよう。

 

 

5月:自分の限界を知れ! 成功しているときこそ気をつけて。

10  

●成功は失敗の素?

先月の花見でのバカパンが雑誌で取り上げられたことで大盛況のこぐまベーカリー。

しかしちはる店長となっちゃんの二人で運営している小さな店舗。頑張ってもそこには物理的限界があるというもので……

 

ある日、ついに限界がきてしまいます。

 

これはひとつの成功が失敗につながってしまう例。

成功はよいことです。けれど、成功が失敗の素になることもあるということに注意しましょう。成功に驕らず、身の丈に合った経営をすることを心がけましょう。

 

とはいえ、言うは易く行うは難し。愚者は経験から学ばなければならないのです。また、失敗は若い頃にしましょう。若い頃なら時間と体力があります。度胸と知恵もつきます。失敗しないとなかなか助言は耳に入らないのもまた真実。

 

 

・身の丈に合った経営計画を。

・せめて経験から学べる愚者になろう。

 

 

6月:経験者から助言を聞こう。聞くときは真摯に耳を傾ける。

11  

●時間を金で買おう

失敗してしまったちはるたち。なんとか助けを借りて乗り切ったものの、煮詰まった状況は改善されていません。

そんなとき、たまたま出会ったのは常連のお客様。

彼女は優れた経営者であり、いろんな話を聞く機会になります。

 

実際に失敗した後だからこそ身に染みる助言の数々。

まぁ、余裕ができたらまたその分頑張っちゃうのがちはる店長らしいっちゃあらしいですが。

 

で、今回の助言では、こぐまベーカリーでは利益が出ているということで、金で時間を買いました。アルバイト募集です。規模拡大ですね。

 

ビジネスでは状況が様々です。先人の助言だからといって適切とは限りません。そこの見極めが非常に重要になってくるのですが、今回は苦労人な成功者であることと、常連客で親身になってくれている、そして前回の失敗、と素直に聞ける条件がそろっています。

現実はそこまで素直に聞けないことが多いですが、だからこそ虚心坦懐、少しでも役立つことを取り入れていきましょう。

 

 

・賢者は歴史に学ぶ。先人の言葉には耳を傾けましょう。

・お金があれば時間が買える。利益は投資してこそ活きると知ろう。

 

 

7月:カレーパンは懐が深い! 選択肢が多いと逆に迷うわけですが。

12  

●好きこそものの上手なれ

夏のパン屋はお客が減るので、テコ入れにカレーパンフェアを企画中。しかし、カレーパンの懐が深すぎて(選択肢が多すぎて)困惑し、右往左往するちはる店長。

しかし、好きだからこそ、試行錯誤の段階も楽しいし、徹夜もできる。本からのインスピレーションで案が固まり、徹夜で試作品を完成させちゃったちはる店長。

徹夜は作業効率が下がるので本当はよろしくないんですが……好きなことをしているとしんどくても止まらないもの。

 

困難も好きでやっているからこそ乗り越えられるもの。初心忘れるべからず。精神論ですが、最後にくるのはやっぱり精神論です(最初にきちゃダメですよ)。

 

楽しいからやっている。好きだから始めた。お客様の喜んでくれる顔が嬉しい。

そうしたいろんな嬉しいを忘れないようにしましょう。

 

 

・好きこそものの上手なれ。

・でも徹夜はダメよ。

 

 

そして再び8月……

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約束の1年が経過……いろいろあったこぐまベーカリーの1年。その結果は是非コミック(以下略(ぉぃ)

 

コミックスではこのあとさらに後日談が1話分追加されて、ちょうど1冊で完結、です。

オチのところは極力引用せずに紹介したので、是非コミックスを通して読んで楽しんでください。

 

……しかし、本当に形になったな……ビジネス書は読みなれてないので、文章部分の是非はあまり気にしないでもらえると助かります。

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