ウェブページ

フォト
2012年5月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

ブログパーツ

  • twitter
  • ソーシャルライブラリー
無料ブログはココログ

最近のトラックバック

バナー

  • そして船は行く 完全版

青年

2012年4月15日 (日)

「うさぎのヨシオ」(エンターブレイン:近藤聡乃)

「マンガって自由なのね!」(メリーさん)

 

鈴木ヨシオはペンネームで、本名はピョン吉。種族はうさぎ。漫画家目指して今日も喫茶メリイにてバイト中。

 

四コマ漫画で、うさぎのヨシオのどうということのない日常と鬱屈を描くのだけれども、シンプルな絵と軽快な会話、えぐり取るような視点で、ちょっと類を見ない読後感になっている。

 

この漫画に注目し始めたのは第2話。

新聞四コマしか漫画は読まない喫茶メリイのオーナー、メリーさんが「漫画って自由なのね」と呟く。

 

01

ヨシオが漫画家を目指したきっかけは、つげ義春「ねじ式」! しかし、ヨシオはつげの影響が大きすぎて、どうしても“自由”に描けないのだ。

 

02

そして上手く描けないために、つい現実に逃避してしまう。描けない理由を探してしまう。

 

03

もうひとつの話の軸が、ヨシオの恋物語。

ヨシオの漫画家への努力と恋物語が、この漫画の二つのメインストーリーですが、ついでに上のコマにもあるように漫画ネタも多い。ここでは「銀河鉄道999」だけれども、他にも「めぞん一刻」「感染るんです」「ベルサイユのばら」etc

もちろんつげ義春ネタは多いし、他にも梶井基次郎やサン=テグチュペリとか文学ネタも。

手塚治虫「どろろ」の次にオススメするものが「高丘親王航海記」(澁澤龍彦)ってどういうこと?w

 

途中にFellows!21号に載っていた著者の短編がさしはさまれるのですが、雑誌では「近藤聡乃」だった作者名が「鈴木ヨシオ」になってる!!?

 

ちょっといたいたずらゴコロも満載で、ヨシオは結構鬱屈しているけれども素直な性格で、周りが明るいので非常に楽しく読める。そしてふっきれた後の展開は爽快のひと言! 何故ふっきれるのか。どうなるのか。といったところはネタバレになるので、そこは是非手にとって読んでみてください。

 

いわゆる「漫画家マンガ」の系統ですが、飄々とした絵柄に四コマ、さらにうさぎ、と独特の雰囲気を醸し出しています。漫画好き、文学好きにオススメしたい作品です。あ、全1巻です。

2011年8月23日 (火)

「信長のシェフ」1巻(芳文社:梶川卓郎)

「醤油がない……」(ケン)

男が気がついたとき、そこは戦国時代だった。自分は何ものなのか、何故こんなところにいるのか……記憶はない。しかし、料理の腕と知識は残っている。ケンは生き残るために、料理を作る。

 

戦国時代に現代の料理人がタイムスリップ。戦国時代には見た事もない料理で度肝を抜く……というのが基本設定ではあるけれども、一段面白い作品にしているのは、料理を外交の道具として使われていること。戦国時代はまさに一城が一国。これからどのような外交戦が繰り広げられるのか。注目作です。

 

01

戦国時代。醤油などの、今では基本となる調味料や、トマトやジャガイモなどの野菜もない。それをどのような工夫で現代の料理を仕上げていくのか、という見どころもある。

 

02

パトロン、と呼ぶには物騒すぎる人物・織田信長。記憶もなく、料理の腕ひとつのケンを、保護……利用する。

 

2011年8月17日 (水)

「ニコイチ」9巻(スクウェア・エニックス:金田一蓮十郎)

「もう何もかもがとてつもなく面倒くさい」(藤本菜摘)

8巻の紹介はコチラ

 

須田真琴はついに藤本菜摘にプロポーズを決行。菜摘さんからはよい返事をもらえたが、肝心の菜摘さんの継母からは相手(真琴)が子持ちということから反対を受けてしまう。

継母と菜摘さんのわだかまりを解くために、真琴(女装版)が立ちあがる。

女装子育てラブコメディ、結婚へ向けてさらに波乱の続く第9巻。

 

「未だかつてないほどクールなカミングアウト」!!www

うっかりからカミングアウトが続く怒涛の展開。毎度のことながら、カミングアウト後の相手の反応が面白い。バレないだろうか? という展開から、バレたあとの相手の反応、という笑いのツボがシフトしたのは上手いと思う。

後半、予想外の展開、というか、ここであの伏線を持ってくるのか、といった感じ。はたしてどうなる!?

 

01

継母と菜摘さんの和解のための真琴(女装)と出かけることに。真琴(女装)の株はあがるが、男性の真琴の株は変わらない……!?

 

02

幸せを感じるラインがハンパなく低い智。同作者の「ライアー×ライアー」はこの智のパラレルな話なのだなぁ、としみじみ思う。

 

2011年8月15日 (月)

「ぼくらのよあけ」1巻(講談社:今井哲也)

「SHⅢがやったんだよ」(沢渡ゆうま)

人々をつなぐネットワークが発達した近未来。

人工知能を搭載した家電ロボットが“何か”の電波を受信した。それは宇宙船の人工知能。“彼”を宇宙へ、母星へ返すため、ぼくらの秘密活動が始まる。

 

ノスタルジックな団地の風景、小学生男子の秘密の遊び……しかし、その目的は宇宙船を母星へ返すこと。SFとノスタルジーが奇妙にまじりあった独特の世界に、著者の人間関係への皮肉な視線が底流にあり、ざわざわとするような読後感がある。全2巻の予定で、きっちりと築かれた作品。少年たちの夏の冒険の結末が楽しみだ。

 

01

団地が宇宙船!? 宇宙船の記憶(記録)で宇宙空間を体感する。

 

02

宇宙船を起動させるためには失われたコアが必要。そのコアを持っていたのはひとつ年上の少女。しかし、少女は学校でいじめにあっていた。

 

2011年8月11日 (木)

「ナイトストーン」全2巻(竹書房:神江里見)

「この日本が雀荘と高校から崩されようとしているのか!」(篠原)

世の中には必要な人間とそうでない人間がいる。彼ら不要な人間を排除しなければ人類は絶滅に向かってしまう。北島敬は自らを神と思い、超能力で不要な人間を排除していく。必要な人間と不要な人間を見分けるのに最適なもの……それは麻雀だった。

 

実にコロコロコミックスのようなノリなのだが、神江里見の絵の力で問答無用の説得力を持つ怪作。原作者はオウム真理教を元に、神江里見の絵を活かすためにこの話を考えたらしい。予想外の展開に、派手な闘牌の応酬、絵の迫力。突飛でいながらも、90年代の世間の空気を見事に反映している作品です。

しかし、表紙にあらすじが書いているのですが、何度読んでも麻雀漫画のあらすじじゃねぇ!

 

01

北島敬の目的は世界征服。麻雀はそれへの協力者を探すための格好の方法なのだ! 麻雀には打つ者のすべてが反映される。荒唐無稽な話も、この絵の凄みでは些細なものに思えてくる。

 

02

「我々の世界は理論上+があれば-、S極があればN極があるように全てが対称のものでできている。しかし現実には正物質でしかできていない。ならば消えた反物質はどこへ行ったのか……それは麻雀牌の中だ」「なんだってーー!!」麻雀牌の描写の美しさといったら。

 

2011年8月 5日 (金)

「こえでおしごと」6巻(ワニブックス:紺野あずれ)

「つまりオーディションに受かる人ってのは演技が上手くて可愛くて歌唱力があってすでに人気がある人だ」(酒波重一)

5巻の紹介はコチラ

 

柑奈の先輩声優で高い実力を持つ藁園文花。だけど彼女は、アニメのオーディションでは緊張して実力を出せず主要な役がまだ獲れていない。

同期の人気声優・住吉神楽は、そんな文花をなぜかライバル視。実はそれには理由があって……。

 

6巻は真面目なお話でエロ成分は少なめですよーーー……この漫画の一番の売りどころを削ってまで描いたテーマは“声優業界”。メインを張るは、柑奈の先輩、文花さん。売りどころを削っても十分に面白いですよ。むしろ、新たな面が出て、まだまだテンション保って続くと確信させる6冊目。

 

02_2

今回のメインは文花さん、酒波さん、そして新キャラの住吉神楽さん。酒波さん、両手に花っすなぁ。からみ上戸と泣き上戸ですが。

 

01_2

オーディンションは狭き門。人気・実力・ルックスがあるからと言って受かるとは限らない。独自の魅力をいかにアピールできるか。という点で例に出される柑奈ちゃん。今回あまり出番がないのでサービスカット(?)ですね。

 

2011年8月 3日 (水)

「腕 ~駿河城御前自愛~」1巻(リイド社:森秀樹)

「こやつ……あの時ひと思いに殺しておけばよかった……」(岩本虎眼)

寛永六年(1629年)九月二十四日、駿府城内では天下の法度にそむき駿河大納言・徳川忠長の面前で真剣御前試合が行われた。

試合は十一番。その内、八試合は一方が対手を殺し、残り三試合は両者が共に倒れるという空前絶後の残忍凄惨な真剣勝負となった。

 

異形な達人たちによる、異様な試合の数々。

最近では山口貴由による「シグルイ」が有名だが、あれは15巻使ってそのうちの1試合目を描写した。それほどに密度が濃い11試合。この「腕 KAINA」は1試合に1話を使ってその狂気の試合を描く。1巻には3試合が収録。いずれも劣らぬ血生臭く、気狂いたちの話である。

 

01

第一試合。盲目の剣士・伊良子清玄 対 隻腕の剣士・藤木源之助。因縁を語り、試合を描く、というパターンで続く。元同門の二人の因縁とは?

 

02

3試合目に出てくる槍の神道流の秘伝“陣幕突き”を使いこなす進藤武左衛門。しかし、その実、血に飢えた殺人者。

 

2011年8月 2日 (火)

「3月のライオン」6巻(白泉社:羽海野チカ)

「お前は何ひとつ間違っちゃいねぇ」(川本相米二)

5巻の感想はコチラ

 

学校で友達をかばったためにいじめにあう ひなた。

周りにも負けずに戦う彼女のために零はできることを必死に探す。

いじめがひなの家族に波紋を投げかける中、しかし彼女を支えてくれる人たちは確実にいる。

 

「戦いの第6巻」と帯にある。その通り……その通りなんだけれど、戦ってるのはひなちゃん。全身全霊かけて戦っています。

将棋のシーンでは二階堂が全力で戦います。こちらの勝負も必見。

 

301

ひなちゃんのいじめに対して、転校等の案を、電卓片手にしようとしていた零。先生、止めてあげてーーっ!

零は大真面目。学校で友達のいなかった零にとって、理不尽なことからは“逃げる”ことが最優先だったのだ。

 

302

しかし、ひなちゃんはいじめという理不尽からは逃げない。怒っているから、戦う。6巻は、ほぼその戦いの巻である。

 

2011年7月31日 (日)

「金魚屋古書店」12巻(小学館:芳崎せいむ)

「金魚屋さんに送ってもらった『きりひと讃歌』がまだ読みかけだったから」(梨城さおり)

11巻の紹介はコチラ

 

絶版漫画専門の古本屋・金魚屋古書店。

子供たちは大人の事情に振り回される。そんな大人たちもかつて愛した漫画があり、振り回される子供を救うのもまた漫画かもしれない。

 

人生に漫画あり。

今回は時系列はいじりながらも、子供たちの成長と漫画の関わりを描く、ちょっとしたひとまとまりになった巻。

大人もかつては夢中になった漫画たち。

 

01

斯波さんにとって漫画の種類は大きく2つでしかない。読んだ本と、これから読む本! 目から鱗。

 

02

金魚屋の風景。老若男女、それぞれ漫画を楽しむ幸せな空間がここにある。

 

2011年7月30日 (土)

「軍靴のバルツァー」1巻(新潮社:中島三千恒)

「「嫌われ者」同士よろしく頼むぞ騎士の青年!」(ベルント・バルツァー)

19世紀帝国主義時代。軍事大国から同盟国の士官学校へと、軍事顧問として派遣されることになったバルツァー少佐。しかしその裏には、同盟国独特の政治状況による問題が横たわっていた。表では市民の反軍事感情、裏では王室との確執、そんな中、バルツァー少佐の苦闘は続く。

 

訓練兵ものの亜種かと思ったら、もっと大掛かりな仕掛けがありました。バルツァーは兵士を鍛えると同時に、同盟国の政治状況にも踊らされるハメに。一見優男風だが、戦場では人格を切り離して理に従う軍国の軍人らしさを発揮する。

 

01_3

武器の性能差は戦術に直結する。古い装備の同盟国では、最新装備の敵には単なる巨大な的である。しかし、新しい現実を理論だけで説得するのは非常な困難を伴う。

 

02_3

人格・感情を切り離し、戦場における“理”に従う……それが軍国による軍人教育の要である。それは精神論とはまったく次元の違う理論でもある。